ARTICLESJuly/28/2017

HARVEST RADIO 第1回 | Guest: Kuwazono Hajime

HARVEST RADIO 第1回 | ゲスト: Kuwazono Hajime(ペインター/ラッパー)

皆さんはじめまして。
UNCANNY編集長の厚意に甘えて連載を始める事になりましたHARVESTのsyphtといいます。

自分がココに連載をさせてもらえる理由は、自分に才能のあるアーティストを見つける能力があるという事とストリートでエポックメイクしてきた事を買われてだと思っています。

なので基本的にこの連載では、自分が今気になるアーティストの紹介を中心に街の情報とか面白いなと思う事を活字ラジオっぽい感じで紹介して行こうと思っています。

読んだ事で何か持って帰ってもらえるような連載になるよう努めますので、どうぞよろしくお願いいたします。

では記念すべき連載第1回目は、挨拶がわりのこの曲からどうぞ。

Kuwazono Hajime – “Antimist(Remix)”(Pro:Sweet William)

(Lyric)————————————

How about you. sentense…
sentense about you.

偶然の出逢いにつきまとう
必然の別れは 遅かれ早かれ
絶対の約束なのさ
なるべくしてなる運命だってさ

なるべく手離さないようにと
しがみついてる惨めな私を
太陽は今日も照らしてくれた
すべてに平等に愛を与えた

それはまるであなたのよう
もしくは宇宙に羽ばたく鳳凰
永久に あぁ永久に
全て忘れて幻を眺め

たいと思う 遠くに
もっと遠くに行ってしまえよ
名前も形も忘れてなくなる
ぐらいに

あなたの知らない歌を歌うよ
太陽の背後に隠れた
彼方の空のごとく
2つの歌繋ぐのさ
あなたの知らない歌を歌うよ
太陽の背後に隠れた
彼方の空のごとく
2つの歌繋ぐのさ

薄れていく想い出をなぞって
丸まってしまった鉛筆
削り直して永遠の円を描く
消しゴムじゃ消えないぐらいに

崩れていく どれほど強く
祈れどいなくなってしまって
時間と共にすべてが朽ちるなら
せめてその前に私の口から

あなたの眼に留まる
不幸ならそれでも行きていけるのだ
身体よしなやかに
飾ることなく背椎伸ばして

彼方の空を見たまえ
空もこっちを見ててくれるさ
出逢いと別れに形をつけたら
いつしかあなたと私になった

あなたの知らない歌を歌うよ
太陽の背後に隠れた
彼方の空のごとく
2つの歌繋ぐのさ
あなたの知らない歌を歌うよ
太陽の背後に隠れた
彼方の空のごとく
2つの歌繋ぐのさ

————————————

以上Kuwazono Hajimeさんで“antimist”でした。

とてもロマンチックで良い歌ですよね。オリジナルを聴いたSweet WillamさんがRemixをかって出たという話で、トラックとの相性もバッチリですね。

曲名の”Antimist”の意味は、ボナールって画家がヴュイヤールって画家に手紙で送った言葉で”親密派”という意味だそうです。この歌詞でこの曲名ってなかなか意味深ですよね。

Kuwazono Hajimeさんは京都を拠点に活動する現在22歳のペインターでありラッパーです。

彼は「ラップはあくまでも息抜きレベルでやってるだけで、現在の自分の主な活動ではないのでソコを取り上げられても困ります」って言い切るんですが、その端正な声のトーンと優しく感情を込めてフローする彼のラップは息抜きのレベルを遥かに超えたとても貴重な才能だと思うんです。

「僕」「私」「あなた」「お前」などの代名詞を織り交ぜながら、時に弱音を吐きながらも真剣に感情に向かいあう彼の歌は、とても人間臭くて女々しいんだけどソコをさらけ出せる潔さが逆にとても強く感じられて、現実を並べただけの”リアル”という価値観以上に現実味を持って語りかけてくるように自分は感じました。

ペインターとして「自分の絵画の根本に”写真への不信感がある”」と語る彼は、現在”body to body”という白黒で描いた人物画の連作に取り組んでいます。

それは簡単に言うと”証明写真をモチーフに人物自身を描く”というコンセプトの作品なんですが、写真をきっかけとしながらも自身の身体性を基にした彼なりの”リアリズム”の表現というのが作品の根幹にあって、作画を通して自身の中の被写体と向かい合う作品は、筆を重ねる毎に冷淡なトーンになっていく反面、より力強い”何か”を視る者に訴えかけているように感じられました。

彼の楽曲にも感じたその”何か”の正体を確かめるべく、彼の生い立ちや、絵画や音楽が自身の表現方法になるまでや、作品の制作背景などを聞いてみました。

ではインタビューの前にKuwazonoさんの曲をもう1曲お聴きください。

Kuwazono Hajime – “Aogeba toutoshi”(Pro:soejima takuma)

(Lyric)————————————

ちんけなことを幸せとみなす
ちっぽけな空言で満たす
人生は甚だ儚く
身体はやがて消えてなくなる

死なむと思い我1人
向かう深く深く静かな森の中
最初で最後決断が出来ずて
木々と戯れる涙が垂れる

私は何を恐れる?
いと重きいと軽きこの身を消さず
理由など特になく息をして
泣き濡れ家に帰る

不変の因果律 生まれては死ぬ
原因と結果のその合間
生きた過程に砂をかける
在もせぬ世界に想いを馳せる

仰げば尊し 今ここに在りし日の悩み思い起こし
良くも悪くもすべてが終わる
哀れ哀れな歌へのオマージュ
仰げば尊し 今ここに在りし日に吐いた言葉を残し
命泣き歌の悲しみを問う
命ある僕の悲しさよ

キャラメルの銀紙のよう
全てを優しく包むのでしょう
私とあなたと青い惑星
あぁ眼を閉じ空を仰いでる

地に落ちた涙たちは木々を育み
やがて鮮やかな世界を創ろう
かつて私が感じた全てを
ハッキリと汝に伝えたいのです

隣の人を愛し星となり
一瞬も永遠と感じた生涯
輝く星が私の目に映る時はすでに無いなんて説は信じない
すーっと吹きゆく優しき風は
祖先たちからの何気ないささやき
46億の歳月を感じ
いとおかしき今を祝おう

————————————

トラックを担当したsoejimaさんのアヴァンギャルドな音に負けない強い言葉が耳えるこちらもとてもカッコいい曲だと思います。

この後はインタビューなのですが、もしよければKuwazonoさんに用意してもらった自身の楽曲のプレイリストを聴きながらインタビューを読んでみてください。それではどうぞ。

”Kuwazono Hajimeインタビュー”

__ではまず最初に簡単な家庭環境とラップや絵を描き始める事になったきっかけを教えてください。

Kuwazono Hajime(以下K):
桑園 創(Kuwazono Hajime)、福岡県出身の22歳です。

地元で障害者に木工や染色を教える福祉事業所施設を営む両親の元に3人兄弟の末っ子として生まれました。家でSparkle HorseやKieth Jarret等をよく流していた音楽好きで手先が器用な父と色彩感覚の優れた母の元で、僕自身も木工所で工作をしたり障害者の方達と一緒に遊んだりして育ちました。両親は自分が表現活動をするようになった一番根っこの部分だと思います。ピアノをやっていた事もあり音楽も絵も好きだったと思うのですが小・中学生時代は野球に夢中な少年でしたね。

中学の頃、後にラッパー”cola”として活動する兄の影響でアングラな日本語ラップにのめり込み、高1でたまたま入れてもらったクラブで兄の知り合いから”pepsi”というMCネームをもらい高1の終わり頃から自分でもラッパーとして活動をしていました。人前でライブする事や夜遊び自体が新鮮で色々悪い事も教えてもらいながらラップにのめりこんで行きました。

当時は県外からもライブに呼ばれたりと周囲からの評価もありそれなりに手応えは感じていたのですが、それとは対照的に自分自身がヒップホップの様式美や”しがらみ”に居心地の悪さを感じ始めていました。そんな時に僕が最も尊敬するクリエイターの1人であるlee(asano+ryuhei)君のライブペイントに出会いその”自由さ”に強い衝撃を受け、気がついたら絵を描くことに夢中になっていました。その頃から本格的に絵の勉強を始め現在は京都の大学で油絵を学びながら作品を描いています。

__京都での学生生活はいかがですか?

K:
僕が住んでいるのが京都のだいぶ北のほうで静かなので、じっくりと腰を据えて何かを追求するにはもってこいの環境です。東京とは少し離れているからか、その大きくて早い流れから一歩身を引いて批評的に見ていられるので、前のめりにならずに物事に向き合うということをしやすい場所なのかなと。

学校生活については、授業も受けますがどちらかというとアトリエに籠って制作してることが多いです。僕の作品にも登場するのですが去年1年間NYから3人の黒人の留学生達が来ていて、彼らがHIPHOPを好きだった事やその中の1人がlee君の曲が好きだった事もあり凄い仲良くなれて、その彼らとの出逢いと別離が僕の作品”body to body”にとても強い感情を与えてくれて筆を前に進めてくれました。そういう意味ではとても良い環境だと思います。

__”body to body”の作品コンセプトを教えてください。またここ1年ぐらいで作風がとても力強くなった気がするのですがそれはその黒人学生達との出逢いに何か関係はありますか?

K:
まず自分の絵画には写真への不信感みたいなものが根本にあると思います。これはあくまでも視覚的な情報としての話なのですが、”写真は情報でしかないし、今、直に見ているものより明らかに情報量が少ない”と思ってて、僕の周りでもよくそのようなことを耳にします。制作時はそれを逆手に取るのですが。

特にスマホの普及等でどんどんインスタントに写真が撮れるようになっていく中で、写真1枚の重みがどんどん無くなって来てるなって思ってて、デジタルデータなんて形(body)をもってないし。

そんなインスタントなイメージに囲まれて生きている現代の自分が、生きているということのリアリティーや広い意味での肉体(物それぞれが持つbody)の豊かさを絵画でどう伝えて行こうかと思った時に産まれたのが白黒のポートレートの連作”body to body”シリーズでした。もともとこの名前は”face to face”(向かい合って/直面して)に対する造語で付けました。

絵画って、書かれた内容以前にある重量を持った絵の具を作家の意思に基づいて直に関わりながら作られる物質だと思ってて。そしてそれに向かい合う身体(鑑賞者も含む)も物質側面を持つ。それが前提にあります。

で、このシリーズは仲の良かった友達とか直接関わり合いのあった人にもらった”証明写真”を見て描いているのですが、証明写真はきっかけにすぎないというか、僕が向かい合いたいのはその人自身です。今ここにはいない、けれども共に時間や空間を共有したことのある人。その人と再び絵画体験を通して向かい合いたいんです。

全てを記憶や主観に頼ると、独りよがりになるので証明写真を使っているのかな。medium(何かと何かの間)ですよね、僕のいるここと、ここではないどこかで生きているその人をつなぐ脆い通路みたいな。

そもそも証明写真って統一化されたフォーマットなので個性を埋没させてしまいその時点で明らかに希薄な情報になってしまっているじゃないですか。しかも表情はぎこちないし、四方4cmくらいのものなので、ディティールなんて全然写ってない。

それでも”あなた”と向かい合いたい。そうなると頭の中か身体なのかわかんないけど自分に内在する実際に味わった”あなた”との記憶を原動力に信じるしかないわけです。出来ると信じて絵の前立ち続ける、身体を動かし続ける、絵の中のイメージとして”あなた”と会えるのを耐え忍びなら待ち続けるしかないんですよね。そうやって自分と自分の中に居る”あなた”と向かい合いながら描いていったのが”body to body”シリーズです。

できるだけ少ない情報量の中から描くことで、より純度の高い内在しているその人が画面に立ち現れるのでは、と考えてます。証明写真を見たときよりも物質として壁にかかっているそれに対峙したときのほうがなんとなくその人だな、って思えるのが理想ですね。

先ほど話していた黒人留学生達の影響は、彼らと濃密な時間を過ごせたからこそ、別れた後に心を込めて描きたいと思いました。残っているのは証明写真だけで、じゃあそれを基に心で描くしかないと。その留学生のうちの1人に関しては半年以上かけて8枚くらい描いているんですが、考え過ぎてしまって一時期手が動かなくなってこのシリーズを描けなかった時期もあったりして、最近はまたやり始めてます。

確かに“body to body”は今まで考えてきたことがやっと秩序をもって体系化された感覚はありました。でもまだ僕が思っていることや表したいこととあの絵を見た時に得られるものの間には大きな歪みがあるし、出来上がったモノはもの凄い無機質な絵画に見られる事もあるし、自分が思ってるのと全く逆の方向に行っちゃってるのかなって思う事もあってもっと考えないといけないことも沢山あります。まだ若いので、じりじりと詰め寄って焦らずじっくりといい絵が描けるように成長していきたいです。

__そういうテーマだったんですね。自分がPCやスマホで見ている事もあり、無機質でクールなトーンを意識して描いているのかなって思っていました。でもそうなると実物を見ないと伝わらない所は多いのかもしれませんね。それこそ情報量がPCやスマホでは伝わりずらいというか。

K:
だから4月に東京でやった展示は1枚の絵に対して向かい合う形に椅子をおいて1枚の絵と向かい合うための場を作りました。

__8月2日から始まる2人展ではどのような展示を考えていますか?

K:
4月からまた1枚の証明写真をもとに4ヵ月ほど制作を続けていました。そこから生まれた作品を中心に展示する予定です。

__では音楽に話を移します。Kuwazonoさんの楽曲の曲名や歌詞からは文学的な影響を感じるのですが文学は好きですか?

K:
高校時代、僕の同級生が半居候してる時期があって、そいつは「俺は物書きになる」って言ってて、彼が文章を書いてる横で自分は絵の練習をひたすらしてみたいな感じで半年くらい過ごしていていました。石川啄木とか中原中也どか萩原朔太郎とかも教えてもらったし言葉選びはそいつからの影響が大きと思います。あと影響受けたのは、恥ずかしくて今まで人には言えなかったけど高校時代は吉本ばななとかほぼ全部チェックしてました。

__他に影響を受けた人物が居れば教えてください。

K:
lee(asano+ryuhei)君とsoejima takumaさんの影響はとても大きいです。

lee君に関してはだいぶ影響を受けてます。地元が小倉で同じハコとかで遊んでたので、僕の中で身近なヒーローでした。クラブなのにライブ見ながら感極まって泣いちゃった変な思い出とかもあって(笑)。普段日常生活の中でもlee君の音源は聴き続けているので体の中に息づいていると思います。ああやって制作、アップデートを繰り返している姿には本当に胸を打たれます。個展のサウンドや映像の音源を担当してもらったりと、僕の制作活動にも携わっていただく機会があって光栄です。

soejimaさんとは僕が高校3年くらいの時に出会って、彼はヒップホップではなく現代音楽の領域で活動してました。すぐに馬があって一緒にセッションするようになりました。もう一人Fuwa君っていうめちゃくちゃテクニカルなドラマーとsoejimaさんのノイズ、ピアノ、僕のラップでほぼ即興のライブをした経験がものすごく表現の幅を広げてくれました。彼は先日セカンドアルバムを出したのですが、僕も陰ながら一曲客演してます。

あとは最近一緒に曲を作っているMasaki Mifuku君。彼とは、福岡時代に僕が絵の勉強をしてた研究所で出会ったんですが一緒にいてすごくお互いがアップデートされる存在です。彼は今東京でデザインの勉強をしていて東京に行く際は必ず泊めてもらうのですが、一緒にいる時にペチャクチャ話すよりも曲を作った方が相手の状況になんとなく触れられるし豊かな時間を送れることをお互いが知っているので、大概東京に行った際は二人で何か作って帰ります。

もう一人、少し前まで福岡で活動してて、今は京都で細々と弾き語りをしているMatsumoto Sakiちゃんの影響もものすごくあります。愛の塊みたいな人で(笑)、ものすごく大切なのなことを沢山教わりました。彼女の歌声はどこか琴線に触れるところがあります。

__やっぱり高校~浪人時代に出会った人の影響が大きいのですね。過去の音源の”To Be”ではPitch Odd MansionのリーダーのShintarowさんのトラックの上で歌っていたり”Antimist”はSweet WilliamさんがRemixをしていたりしたのですが彼らとはどのように出会ったのですか?

K:
兄が名古屋でラップをしていた時期があって、そこの繋がりで、ShintarowさんやSweet Williamさんを知りました。PODの人たちは福岡の僕の周りの人たちとも接点があって自然に繋がったって感じです。

__楽曲制作はどのように行うのですか?

K:
自分は普段思いついた事をメモにとっているのですが、溜まって来たメモを読み返して自分自身が「やっぱりこういう事思ってるんだよな」ってところから徐々に膨らませて、音に合わせて行く感じですね。最近は制作する時にMIFUKU君も居るからお互いに「俺こう行くからココでこう来て」みたいな。お互い探れるから常に新鮮で居られますね、長く付き合える。

ラップは絵画と比べて凄い良い距離感で出来ているから、毎回新鮮に作れます。

__絵画による表現はあなたの詩/音楽表現にどのような影響を与えましたか? 同様に、詩/音楽による表現はあなたの絵画表現にどのような影響を与えましたか?

K:
どうなんでしょう。もちろん他の音楽家からの影響やブラックミュージック的な要素は絵にあるし、とくに即興でライブする時の非言語の対話性(阿吽の呼吸的なやつです)が絵画制作の軸を担っているとかはあると思います。逆に絵画制作での悩みを息抜きのように音源化することもあります。

ただ具体的に分けて考えられないというか、影響を与え合っているというよりは、多分漠然と思っていることがあって、それを音、もしくは言葉なり絵画に落としこんでいるような気がします。一つの筋で繋がっているというか、頭も身体も一個しかないので。同じようなことをそれぞれのメディアに即して行っているような気がします。

__何が表現行為へと導くのでしょう?

K:
絵画の場合も音楽の場合も、モチーフというかモチベーションの在り処は”あなた”です。

”彼女”や”彼”という自分と距離のある三人称でなく、自分と”あなた”という近い距離の二人称の存在に対して想いを馳せたり、記憶をまさぐったり、様々な通じ合い方で面と向き合い、コミュニケーションを図ることが自分の表現の根幹としてあると思います。

ここでいう距離は物理的な距離とは関係なく心が通い合うような実感の深度みたいな、そういう意味での人間的距離です。

あとは、今ここに身を以った存在として生きている。ということ。

現代でいうと、ヴァーチャルやデータ目に見えない有害物質が迫っきていて、身体の存在がないがしろにされている気がします。

どれだけ発展しても多分人間の身体は無くならないですよね? 今日は体の調子が良いとか、好きな人の肌に触れたとか、雨なので気分が沈むとか。日々の中でそれぞれ肌で感じていることはあると思います。そういう肉体を有した存在としての営みを送っていく中であらゆることに直面する、時にはこの身ひとつでは抗えない大きなことにもぶつかる。天災とか離別とか。生きて行くなかでいろんなことを感知したり想ったり、抗えないことに対して祈ったり、耐え忍んだり、何か対象がありそれに対しアクションすること、し続けることが表現の原点である気がします。

何も芸術の内側だけの話じゃなくて生きていく上でそれらのことは大事なことじゃないかなと思うんです。

与え続けること(絵に手を加え続けること)もそうだし、何かを信じたり、どうにもならないことを耐え忍んで待つこととか、現代においては邪魔くさく思われがちじゃないですか、コミュニケーションツールもどんどん変化してて、お互いの状況を常に確認できちゃうし、待ち時間は潰されるべきものとしていかに早く、便利に、手っ取り早くみたいなところがあると思うけど、そうじゃないんじゃないかなって。

今ここで生きて行く中で身の周りにどのように触れ続けていくか、自分にとって何が大切なのか、心の奥底には何が眠っているのか、身体を使いながら胸の内を探っていく行為がなんらかのものとなって”作品”と呼べるものになるのだと思います。

__では最後に、二人展の見どころとリスナー/ビューアーの人に向けてメッセージをお願いします。

K:
今回一緒に展示をする團上さんは国内外で精力的に活動している同世代の作家です。彼のエネルギーは本当にすごいので一緒に展示できることを誇りに思うし、是非見て欲しいです。僕の方もこの半年間は本当にいい環境の中で絵画制作に打ち込むことができました。新作と旧作を織り交ぜながら、繊細な空間になればと思います。

最後に、音楽も絵もいつもチェックしてくださる人には本当に救われます。ありがとうございます。

これからも細長く、焦らず作り続けていこうと思うので、よろしくお願いします。

__ありがとうございました。

というわけで、Kuwazono Hajimeさんでした。
曲から伝わるようなとても人懐っこいキャラクターの好青年でした。

インタビュー前に書いていた“何か”の正体が皆さんに伝わるように上手く聞けたか分からないのですが彼の楽曲と絵画を見ていったらきっと伝わると追うのでチェックしてみてください。それに今回「高校時代の作品なので恥ずかしいから入れたくない」とプレイリストへの掲載を断られてしまったのですが”hoshi no o-ji”というとても素敵な曲や自身で創ったインストなど色々なお宝があるので気になったら方はKuwazonoさんのsoundcloudをチェックしてみてください。

また画家としてのKuwazono Hajimeさんの事が気になった人は来週から絵画の展示も始まりますし、小旅行を兼ねて京都まで行ってみてはいかがでしょうか。

◼︎展覧会概要

”反面までの距離”
出品作家: 桑園創(Kuwazono Hajime)、團上 裕志
会期: 2017年8月1日(火)〜6日(日)
時間: OPEN 13:00 – 19:30
入場料: 無料
会場: gallery Main
京都市下京区麩屋町通五条上ル下鱗形町543-2F
http://www.gallerymain.com/home.html#map

関連イベント: クロージングパーティー
日程: 2017年8月6日(日) 18:00-19:30
場所: gallery Main
参加費: ¥300(1drink付き)

企画・問い合わせ: 平野 成悟HIRANO Seigo
〒606-0095 京都府京都市左京区上高野西氷室町11ー39
TEL:090-8237-5479
MAIL:dokukai34@ezweb.ne.jp

協力:京都精華大学 木野会、画箋堂、gallery Main

Kuwazono Hajime:
Instagram(https://www.instagram.com/kuwazono_hajime/)

Twitter(https://twitter.com/pepsi350ml)

tumblr(http://kuwazono-hajime.tumblr.com)

SoundCloud(https://soundcloud.com/pepsi350ml/)

というわけで、記念すべき第1回目のゲストは、ペインター/ラッパーのKuwazono Hajimeさんでした。

続いては、自分の音楽友達の中で特にセンスが良い北海道の”みどり”に最近のオススメを聴くコーナー”みどり最近何聴いてんの?”の予定だったんですが、ちょっとテキストがまとまってないので追ってアップデートします。とても良いネタあるのでお楽しみに(人生最重要盤を見つけてしまいました)。
こういうところがインターネットって便利ですよね〜。(本当すみません)

では、引き続いて街の情報コーナーなんですが、今回は「Barry McGee & Clea Lohas展 at watariun」。コレに関してはとあるメディア用にインタービューしてきて色々話したいことがあるんだけど、残念ながらこっちもテキストがまとまってないので追ってアップデートさせていただきます。こっちもとても良いエピソードあるのでお楽しみに!
こういうところがインターネットって便利ですよね〜。(本当すみません)

という感じで終わりの時間が近づいて参りました。
お送りしたのはHARVESTのsyphtでした!
また次回の放送をお楽しみに!

文・sypht
プロフィール:(製作中)
Twitter(https://twitter.com/sypht)