NEWSMay/24/2017

飯田Jennifer桃子、松本望睦による二人展「アンルーリー | Unruly」が開催

飯田Jennifer桃子と松本望睦による二人展「アンルーリー | Unruly」が、TALION GALLERYにて開催される。期間は、2017年5月27日(土)から6月25日(日)、初日となる27日には、オープニングレセプションが行われる。

飯田Jennifer桃子は、1987年ニューヨーク生まれのペインター。油彩のレイヤーを流動・積層させる独特な手法に取り組み、その作品は、平置きにしたキャンバスの上に液体状の油絵具を注ぎ、流動させながらイメージを固着させ、何層も重ねて制作される。

松本望睦は、サウンドデザインやトラックメイカーとしての仕事を手がけながら、ナイル・ケティングとのキュレーションユニットEBM(T)の活動でも知られる美術家。作品制作では、音の中でもとりわけ声、それが発される母体を探ることをテーマとし、社会環境の変化に適応しないための能力を「積極的な退化」と呼んで顕在化させる。

「アンルーリー | Unruly 」とは、「手に負えない、規則に従わない」などを意味し、ここでは主に、消えた島や隠れた砂漠、所在不明の都市など、いまだ明らかにならない地理上の場所を指す「Unruly Places」から着想を得ている。空間という抽象的で、合理化された概念に対して、空想的な逸話とされ、そこは無かったとされてしまうような場所として、本展覧会は提示される。


松本 望睦|Sapo|2017| サイズ可変

Exbition Statement:
Unruly [ʌnrúːli, アンルーリー, un・ruly]【形】
1. 乱暴な、規則に従わない、荒れ狂う、手に負えない、野放図な、常軌を逸した
2. 〔社会などが〕物騒な、うるさくて制限または規律が欠けている

一神教の普及、啓蒙主義思想と、多様性を離れ、普遍性・共通性を好む人たちは徐々に増していった。場所に無関係に、どこにでも適用できる理論を構築することで、「空間」という抽象 的で、合理化しないと扱えない概念は台頭した。どこでもない場所/どこにでもある場所は現状増え続けている。

改名が繰り返された街、海が干上がった砂漠、沈んで確認されなくなった島、神話とされた架空の丘、他国の法律が適用された場所。逸話とされ、そこは無かったとされてしまう場所と物語。作話で発話母体-空間を癒合することで、特定の「場所」は回復する。

普遍性・共通性が生んだルールのためにモラルを持ちマナーがあってエチケットを備えるのではない。エチケットがマナーを生み、モラルやルールを揺らし、ずらしていく。


飯田 Jennifer 桃子|サファイア|2016|油彩、キャンバス| 1455 ×1455 mm
Courtesy of TALION GALLERY

◼︎展覧会概要
アンルーリー | Unruly
アーティスト: 飯田Jennifer桃子、松本望睦
会期: 2017年5月27日(土) – 6月25日(日) 11:00 – 19:00
定休日: 月・火・祝日
会場: TALION GALLERY 東京都豊島区目白2-2-1 B1
企画: 飯田Jennifer桃子、松本望睦、上田剛史

Link: TALION GALLERY