近年「アーバン」「シティ」というキーワードで楽曲制作に取り組むアーティストはかなり多く、世間では「シティポップ・リバイバル」が叫ばれるなど、80年代的なサウンドがちょっとした盛り上がりを見せている。そんな中、そこから一歩踏み出した新しいポップの形を提示しようと、カフェから音楽業界へと漕ぎ出したアーティストがいる。8月6日に初EPがリリースとなる女性シンガー、さいとうまりなである。

さいとうまりなは青山のカフェで働く傍ら歌手としてのプロモーション活動にいそしみ、「カフェで逢えちゃう美人シンガー」としてかねてよりTwitter等で話題を集めていたが、今回ついにEP『はじまるふたり』のリリースをもってメジャーデビューとなった。「平成POP」と題し、とある夏の1日を4曲で表現したという今作ではプロデュースに堂島孝平、タダシンヤなど豪華な布陣を迎えていることでも話題になっている。最後を飾る1曲となる「ねむれないよるに」は作詞作曲をtofubeatsが手がけており、彼らしいもっちりとしたビートと美しい鍵盤が特徴の爽やかなサマーアンセムに仕上がっている。これまでにもlyrical schoolなど数々の女性アーティストへの楽曲提供や彼女達のプロデュースを行ってきたtofubeatsと、 2014年版シティポップの形を模索する新進気鋭の女性アーティストさいとうまりなのタッグがどのような作用を生むのか、期待が高まる。

『はじまるふたり』は6/25よりiTunes Music Storeで予約注文がスタートしており、tofubeats作詞作曲「ねむれないよるに」が先行配信されている。シティポップの大豊作となりそうなこの夏の始まりとともに、この大型新人も本格的に動き出していくようだ。

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(by Misaki Noguchi)