INTERVIEWSAugust/01/2016

[Interview]Tegan and Sara – “Love You to Death”

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 双子の姉妹から成る、ティーガン&サラは1995年にカナダのカルガリーで結成されたオルタナティヴ・ロック・デュオ。8歳でピアノ、15歳でギターを始め、ティーガン&サラとしては15年以上ものキャリアを持つ。彼女たちは、2000年にニール・ヤング主宰のレーベル〈Vapor Records〉から、デビューアルバム『This Business of Art』をリリースしており、先日7月27日に国内リリースとなった『Love You to Death』は、通算8作目のアルバムとなる。また、8月2日には、代官山UNITにて来日公演が決定している
 双子の姉妹でその長いキャリアを積んできた二人であるが、作品ごとに新しいサウンドと世界観を革新し、曲にはパーソナルな思いも込められている。今回のアルバムリリースにあたり、世界中のコンテンポラリーファッション、ストリートカルチャーなどを発信するオンラインメディア『HYPEBEAST』にてインタビューが行われた。バンドの音楽スタイルについて、アルバムの制作過程、そしてオープンリーレズビアンである二人にLGBTについて問うなど、貴重なインタビューとなっている。

Interview with Tegan Rain Quin

__ニューアルバム『ラヴ・ユー・トゥ・デス』が先日リリースされましたが、この数年でバンドはどのように変化したと思いますか?

私たちは、常に新しいインスピレーションを追い求めていると思うの。私たちの歌声、楽曲制作スキル、目標は全てのレコードにおいて変化しているわ。サラと私は同じ様なアルバムを、二度もリリースしたいとは思ったことがないの。意識的に、3、4年ごとに新しいレコードに新しい手段を用いて取り掛かるわ。私たちのゴールは私たち自身、またオーディエンスに対して挑戦をすることよ。私たちの根幹では、皆が共感してくれるような曲を書くことを強く望んでいるんだけどね。曲から全てが始まるのよ。そして、17年のレコード制作において、それは一度も変わったことはないわ。

__8thアルバムのレコーディング中に、何かおもしろいハプニングなどありましたか?

8thアルバム『ラヴ・ユー・トゥ・デス』は、グレッグ・カースティンと共に制作したの。彼は素晴らしいプロデューサーであり、共同制作者だわ。私たちはクリエイティブなプロセスはグレッグに任せているの。皆驚くかもしれないけど、レコーディング中はグレッグのスタジオで、 私たち3人だけで制作していたの。グレッグとはたくさん笑うし、たくさん話もするのよ! そして彼は音楽を大音量で聴くの。鼓膜が破れそうなくらいうるさいのよ!

__ポップ、オルタナティブ、ポスト・ロック、パンク等、異なる音楽ジャンルに区別しようとすることをどう思いますか? この区別は必要 だと思いますか? もしそうだとしたら、ティーガン&サラの音楽はどのジャンルに属すると思いますか?

バンドが奏でる“音”を区別することは、どんどん重要視されなくなってきていると思う。でも、もしティーガン&サラをカテゴライズするとしたら、インディ・ポップね。私たちはまだ、私たちのやりたいように曲を制作しているから、あくまで“インディ”ね。それにティーガン&サラは、メインストリームに全く適していないと思うの。でも私たちはメインストリームを変えようとしていて、そうした変化がオルタナティヴ・シーンにも、もっと影響を与える。でも基本的には、私たちはポップ・ミュージックを作曲、制作、そしてリリースしているわ。

__お二人はLGBT活動にとても貢献されていますが、10年前と違って、ソーシャルメディアは音楽とは別にどのようにお二人の考えを広く届けてくれたと思いますか?

ある特定の国々に住む LGBTの人たちにとって、確かに状況は改善されたと思う。そしてここ北米では近年、メインストリームのメディアやラジオでは、より差別のない表現が使用され、また、それらから包括的なサポートを得られていることが分かるわ。LGBTが直面している課題は未だに残っていると思う。状況は変わってきているけれど、課題は変わらない。状況は改善されてきているけれと、課題は解決されていない。私たちは毎日戦っているの。マイノリティ・グループとして私たちは未だに平等を得る為に戦い、同性愛者への憎悪から身を守り、アウトサイダーとして、私たち自身を見なさなければならない。それでもやはり事態は変化しているし、マイノリティコミュニティを代表する戦いの第一線にいれることは、幸せよ。

__ソーシャルメディアについてお話をさせていただきたいのですが、ティーガン&サラは異なる時代を経てきましたよね。90年代はテープやアナログ、2000年、2010年代においては全てがデジタルへと変化しましたが、お二人の創造性や、音楽スタイルに何か影響を与えましたか?

デジタルへの変化はたくさんの素晴らしい結果をもたらしたわ。長いことアンダーグラウンドや、インディ・シーンにいた私たちにとって、無限にあるソーシャルメディア、デジタル・ダウンロード、ストリーミング・サービスのおかげで、マーケティングが可能となったし、ファンと直接会話ができるようになり、より多くのオーディエンスに私たちの音楽を届けることができるようになった。デジタルは、私たちのファンに真っ向から挑戦するような音楽を作る自由を与えてくれたと思うわ。今、私たちはたくさんの様々なバンドや、音や、ジャンルを聴くことが出来るから、それによって、私たちは常に新しいサウンドを作り続けることができる。私たちは大なり小なり、いろいろな物事から影響を受けている。私たちの音楽もまた、どこでも聴くことができて、早い速度で進化を遂げている。それは素晴らしいことだわ。デジタル化が進んだ世界の賜物よね!

文: 佐藤里江
1994年生まれ。UNCANNY編集部員。主にアート、映画分野を得意とする。青山学院大学総合文化政策学部在籍

インタビュー: HYPEBEAST

Photo by Pamela Littky

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■リリース情報
Artist: Tegan and Sara
Title: Love You To Death
Release date: 2016.7.27
Price: ¥2,457 + tax

01. That Girl
02. Faint Of Heart
03. Boyfriend
04. Dying To Know
05. Stop Desire
06. White Knuckles
07. 100X
08. B/W/U
09. U-Turn
10. Hang On To The Night
11. Boyfriend(Shura Remix)*
12. Boyfriend(Gilligan Moss Remix)*
* Bonus Track

■公演情報
Tegan and Sara来日公演
開催日時: 2016/8/2(火)
開場18:00 / 開演19:00
会場: 代官山UNIT
チケット料金: スタンディング ¥6,500(税込)
*入場時別途ドリンク代必要
*整理番号順の入場
*未就学児入場不可/枚数制限4枚

お問い合わせ: LIVE NATION