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INTERVIEWSMay/26/2016
[Interview]Yumi Zouma − “Yoncalla”
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 Yumi Zoumaは、2013年に結成されたニュージーランド、クライストチャーチ出身のドリームポップ・バンド。2014年2月にブルックリンのレーベル〈Cascine〉からデビューEP『EP Ⅰ』、翌年2015年3月にセカンドEP『EP Ⅱ』をリリース。日本では2枚のEPをコンパイルした『EP Ⅰ & EP Ⅱ』もリリースされている。そして今月25日にはYumi Zoumaにとってデビューアルバムとなる『Yoncalla』がリリースされた。今回のリリースに合わせて、彼らは、アメリカ、カナダ、ヨーロッパなどをまわる「Yumi Zouma Yoncalla Spring Tour 2016」を開催。日本では9月12日から14日にかけて東京、名古屋、大阪と3都市での来日公演を控えており、東京公演には宮内優里、名古屋公演にはCRUNCHの出演が決定している。

 前回のインタビューでは、メンバーそれぞれが、パリ、ブルックリン、クライストチャーチと離れた場所に暮らしているため楽曲制作はメールのやり取りで行っていると語ってくれた彼ら。今回の新作『Yoncalla』の制作にあたってはどのようなプロセスで制作に取り組んだのか、また、Yumi Zoumaとしての活動が増えるにつれ、メンバー同士の間に物理的・心理的な距離の変化はあったのだろうか。今回で2度目となる来日公演の期待が高まる中、前回のインタビューと同様、Yumi Zoumaのメンバー、Charlie Ryderが新作『Yoncalla』について答えてくれた。

__今作のアルバムタイトル『Yoncalla』に込められた意味を教えてください。アメリカのオレゴン州にあるYoncallaという町と何か関係があるのでしょうか?

“Yoncalla”っていうのは実はこのアルバムの中にあった曲のプロジェクトタイトルだったんだ。その曲は結局はアルバムには入れなかったんだけど、そこで本当に素晴らしい時間を過ごしたから、”Yoncalla”というワードをこのアルバムの一部として残しておきたかった。去年アメリカをツアーしてた時に、バンクーバーからシアトルに向かう途中ですごく不幸な目にあって、僕たちみんな精神的に疲れていたんだ。でもその途中に1日休みをもらって、ヨンカラの森の中にあるAirbnbに滞在して大自然の中で音楽に取り組んだんだ。オレゴンの自然は本当に美しくて、そこで最高の1日を過ごすことができたよ!

__『Yoncalla』と、過去の『EP Ⅰ』『EP Ⅱ』とで、大きく異なっているところはどのような点でしょうか? また、アルバム全体のコンセプトはどのようなものでしょうか?

『Yoncalla』は僕たちが初めて一緒にレコーディングしたアルバムだから、一からレコーディングの仕方をもう一度学び直さなきゃならなかったんだ。レコーディングプロセスの中のどこをみんなで協力的にして、どこをひとりでするのがベストなのか、いつアイデアを諦める必要があるのかっていうのも学ぶ必要があった。こういうことは僕たちがメールでやり取りをした次の日には自然に起こっていたことなんだけど、スタジオに座って予測できない方法でアイデアが浮かぶのを待つっていうのは大変だったよ。スタジオを使ってレコーデイングするっていうのも初めてだった。フランスのパリにあるPhilippe ZdarのMotorbass Studioを使わせてもらったんだけど、とても素晴らしい経験だったよ。すごく美しいスタジオだったし、彼がイビザで休暇を過ごしている間そのスタジオを僕たちに使わせてくれたことにすごく感謝してるよ。

それと同時に、『Yoncalla』は僕たちが同じ部屋でレコーディングした初めてのアルバムでもあるんだ。これまでは、レコーディングは各自がそれぞれの住む国で行って、それぞれのパートごとにメールで送り合っていたからね。だから今作には僕たちの一体感が現れている。感覚としては、夜友達と家で集まって、みんなで意見を交換し合っていたらそれが楽しすぎてあっという間に時が過ぎたっていう感じかな。一緒に団欒を楽しむ。これが僕たちが今回楽曲制作を行った方法だよ。

__前回のインタビューではバンドメンバーの皆さんはそれぞれ異なるところに住んでいるためPC上で楽曲制作をしているとおっしゃっていましたが、今作の楽曲制作は、より具体的には、どのような手法、環境で行いましたか?

今作は僕たちが同じ部屋でレコーディングした初めてのアルバムだから、これまでとは全く異なる経験だったよ。『EP Ⅱ』のツアーの合間に『Yoncalla』をレコーディングしたんだけど、パリの僕の家で2~3週間、それからニューヨークのJoshの家に行って、その後ZdarのMotorbass Studioでミックスするためにまたパリに戻ったんだ。『EP Ⅰ』『EP Ⅱ』の時にメールで曲を送り合ってた時と比べると全く異なる経験だった。『Yoncalla』のために、一つの部屋でそれぞれのパートを組み合わせる作業をしていた時なんかは、お互いに忍耐強くあることを学ばなきゃいけなかった。そういう作業はこれまでは地球の反対側でどちらかが寝てる間に起こってたことだからね。それに、他の誰かが自分のアイデアをめちゃくちゃにするのを目の当たりにするのは耐え難いときもあるよ!

__〈Cascine〉の公式サイトでは、『Yoncalla』について”an album about being close to people, rather than miles apart”と説明されていますが、心理的距離と身体的距離についてどのように捉え、作品に表現されていますか?

より高いレベルでコラボレートすることができるようになった。初めてリアルタイムでみんなと意見を交換し合ってみて、一人ではなし得なかったものを創り出せるっていうことがわかったんだ。『EP Ⅰ』『EP Ⅱ』では、どこのパートをどのメンバーが担当したかはっきりしてるんだけど、『Yoncalla』のレコーディングは、みんなが同時に全てを演奏していたからそうはいかない。さっきも言ったように全員が制作過程やヴォーカルに今までより大きく関わっているからね。メンバー全員が交代になってヴォーカルブースでメロディーを録ったこともあって、僕たち全員が一緒に歌っているっていうのが今作の特徴として現れているのは必然的なことだと思う。

__例えば、Yumi Zoumaとしての活動が増えていくにつれ、バンドメンバー同士の心理的距離感の変化はありましたか?もしあるとすれば、それが今作にどのように影響していると思いますか?

そうだね! 今振り返ってみるとこのアルバム制作の経験は自分にとってとても特別なものになったよ。離れ離れではなく、一緒に作業をするっていうところからたくさん学んだし、結果として僕がみんなのクリエイティビティにより近づくことができた感じがするんだ。今作の楽曲制作やレコーディングは精神的に疲れる時もあったけど、その経験は最終的に僕たち全員を前よりもっと近づけてくれた。共に困難を乗り越えることが、人との関わりを維持したり強くしたりすることができるからね。それは恋人でも親友でも、バンドメイトでも一緒のことだと思うよ。

__今作は、アートワークをニュージーランドオークランド在住のヴィジュアルアーティストHenrietta Harrisが、レイアウトをアメリカジョージア州在住のデザイナーRyan McCardleが手がけたそうですが、どのような理由、経緯でこのふたりを起用したのでしょうか?

Henriettaはニュージーランドで僕たちのお気に入りのライブポスターを数多く手がけていたから、長い間僕たちは彼女の大ファンだったんだ。ある日彼女がFacebookに投稿したスケッチが、今作のアートワークのスタイルにぴったりだったから、僕たちが彼女の作品の大ファンで、『Yoncalla』で僕たち4人のためにアイデアを出してみてくれないかって、彼女にメッセージを送ってみたんだ。ありがたいことに彼女も僕たちのことを気に入ってくれて、アートワークを手がけてくれることになったんだよ! RyanはJoshの仲のいい友達で、Joshが〈Capture Tracks〉で働いていた時に、Ryanもそこで多くのプロジェクトのデザインを手がけていたんだよ。Wild Nothingのセカンドアルバム『Nocturne』とかね。Ryanは今回限定バージョン、デジタルバージョンとかも含め、今作のアルバムに関わる全てのレイアウトを手がけてくれたよ!

__『Yoncalla』のアルバムコンセプトと今作のアートワークはどのように関係していますか?

『Yoncalla』のアートワークは、個人として一緒にいることのプロセスを反映しているよ。個々として存在しているのではなく、僕たちのアイデンティティを集合体として共有しているという意味でね。だから今作のアートワークには、そういう考えと、髪の毛の部分だけで、僕たちの顔は描かれていないんだ!

__「Second Wave」のMVではメンバーの皆さんが初めて出演されていましたが、『Yoncalla』の収録曲で、他にMVが公開される予定はありますか? またそれはどのようなものになるかなど、言える範囲で構いませんので教えてください。

公開予定だよ! 「Barricade(Matter Of Fact)」のビデオをちょうど撮り終えたところで、すごく楽しみにしているよ! そのあとにもさらに新しいMVが公開される予定だしね! どんなものになるかは言えないけど、これが写真だよ!

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__最後に、9月に東京、名古屋、大阪と日本で3都市での来日公演を控えていますが、どのようなライブセットや演出になりそうですか?

去年の東京でのショーは、日本で初めてのショーだったし、今日に至るまで僕たちが経験してきた中で一番のショーだと言えるよ。オーディエンスも本当に素晴らしかった。僕たちはそれまでライブで演奏することがこんなに気持ち良いものだとは思ったことがなかったんだけど、初めてその場にいたお客さんたちみんなが僕たちのベストフレンドのように感じたんだ。エンディングも最高だったよ! ステージにみんな上がってダンスして、それから確か2回アンコールがあったと思うんだけど、そんなこと今まで起こったことなくて、演奏する曲もなくなっちゃったから、「Catastrophe」をもう一度演奏したんだ! それに、〈Rallye Label〉のFumiに初めて会って、彼が僕たちの世話を全てやってくれたから、その時の日本での旅は全体として本当に特別なものになったよ。レストランでおいしいものも食べれたし、街の美しいところもたくさん見れたし、Joshは東京でギターも買ったんだよ! また日本に戻って『Yoncalla』の曲を演奏するのが本当に待ち遠しいよ!

インタビュー・文:小林香織
1994年生まれ。青山学院大学総合文化政策学部在籍。アメリカ留学中。インディ、ポップ、アメリカのカルチャーなどを担当。

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■リリース情報
Artist: Yumi Zouma
Title: Yoncalla
Price: 2,300円+税
Release date:2016年5月25日発売
歌詞・対訳付
日本盤のみボーナス・トラック収録 / CDは日本盤のみリリース

01. Barricade
02. Text From Sweden
03. Keep It Close To Me
04. Haji Awali
05. Remember You At All
06. Yesterday
07. Better When I’m By Your Side
08. Short Truth
09. Hemisphere
10. Drachma
11. Souvenir (Bonus Track)
12. Throwing Smoke (Bonus Track)
(※日本盤にはボーナス・トラック収録)

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■公演情報
Yumi Zouma Japan Tour 2016
9月12日(月) @ 渋谷WWW (東京)
出演:Yumi Zouma / 宮内優里
DJ:内田聡一郎 (vetica)
開場 19:00 開演 19:30
前売 5,500円 当日6,000円 (共にドリンク代別)
チケット:ぴあ / ローソン / e+ (※ 5月12日よりチケット一斉発売)
問い合わせ:WWW 03-5458-7685

9月13日(火) @ 今池TOKUZO (名古屋)
出演:Yumi Zouma / CRUNCH
開場 19:00 開演 19:30
前売 5,500円 当日6,000円 (共にドリンク代別)
チケット:ぴあ / ローソン / e+ (※ 6月1日よりチケット一斉発売)
問い合わせ:TOKUZO 052-733-3709

9月14日(水) @ 心斎橋Pangea (大阪)
出演:Yumi Zouma / 他
開場 19:00 開演 19:30
前売 5,500円 当日6,000円 (共にドリンク代別)
チケット:ぴあ / ローソン / e+ (※ 5月9日よりチケット一斉発売)
問い合わせ:Flake Records 06-6534-7411

__Where did the album’s title “Yoncalla” come from? Does it have something to do with the town called Yoncalla, in Oregon?

‘Yoncalla’ was actually the working title of one of the songs on the album. We changed of that song but wanted to keep Yoncalla as a part of the record because we had such a great time there. Last year while we were touring the US, we had some really bad luck getting from Vancouver to Seattle, and it was a stressful time for us. But then we had a day off, and stayed in Yoncalla at an Air BNB in the forest and worked on music in the wilderness. The nature in Oregon was beautiful and we had the best day ever there!

__What do you think is the difference between “Yoncalla” and your previous EPs(『EP Ⅰ』and 『EP Ⅱ』)? Also, what is the concept of your latest album as a whole?

As ‘Yoncalla’ is our first record that we recorded together, we sort of had to learn how to record all over again. We had to figure out what parts of the recording process were best done collaboratively, and what parts were best done alone, and when you need to let go of an idea. That all used to happen naturally when we’d send off files over email and hear back the next day, but it’s hard when you’re sitting in the studio watching your idea come to life in unexpected ways. We also used a studio for the first time – we mixed ‘Yoncalla’ at Philippe Zdar’s Motorbass Studio in Paris, France, which was a great experience for us. It is a beautiful studio, and we’re very thankful that he let us use it while he was on holiday in Ibiza.

‘Yoncalla’ is the first record we have ever recorded together in the same room at the same time – previously we recorded by ourselves in our different countries, and then sent each other the parts over email. So this time, the record has a feeling of togetherness, like you’re having a night at home with friends, and everyone is bouncing off each other and the night is greater than the sum of it’s parts. This is how we wrote the record – together, enjoying each other’s company.

__In our previous interview with you, you mentioned the song writing process often takes place in between computers. What was the writing process like and what kind of environment did you experience while working on your latest album?

It was really different because this was the first time we had recorded together in the same room at the same time. We recorded ‘Yoncalla’ in between tours for EP II – we spent a few weeks at my place in Paris, and then at Josh’s place in New York, and then back to Paris to mix at Philippe Zdar’s Motorbass studio. It was such a different experience compared to when we would send each other songs for EP I and II. For Yoncalla, we had to learn how to be patient with each other when experimenting on each other’s parts together in the same room, because previously that stuff happened while the writer was asleep on the other side of the world, and it’s hard to allow someone to mess around with your ideas in front of you sometimes!

__On Cascine’s website, they explain “Yoncalla” as “an album about being close to people, rather than miles apart”. Given that you all had the chance to work closer together on the album, how do you think this translated onto “Yoncalla”?

It allowed for a higher level of collaboration. For the first time we were bouncing ideas off of each other in real time, and that creates stuff that we wouldn’t have been able to write individually. On EP I and II, we can all tell that certain parts were written and recorded by certain members, but on Yoncalla, it’s hard for us to remember who wrote and recorded what because we were all there playing everything at the same time. All four of us played a bigger role in the production and vocals for instance – we’d all take turns at getting in the vocal booth to record melodies, and it’s no coincidence that this release features us all of us singing together the most.

__For example, do you guys feel personally closer as you spend more time working as a band? If so, how did it affect your latest album?

Yes! Looking back now, making this record was very special for me. The process of working together instead of apart was a learning process and I feel like I’m closer with everyones creativity as a result. Writing and recording an album can have it’s stressful moments but in the end I think it brought us all closer together – working through the rough patches is how you maintain and strengthen any relationship, be it a lover or a best friend or a bandmate.

__You worked with Auckland-based visual artist Henrietta Harris and Georgia-based designer Ryan McCardle for your album’s artwork. Why and how did the collaboration happen?

We had been big fans of Henrietta’s for ages because she’s done a lot of our favourite gig posters in NZ. One day she posted a sketch on Facebook that was in the style of what our album cover came out to be, and we messaged her saying that we really loved it, and asked if she would be interested in extrapolating the idea for the four of us with ‘Yoncalla’. Luckily she liked us too and said yes!! Ryan McCardle is a close friend of Josh’s, as Ryan designed a lot of the projects that Josh worked on when he worked at Captured Tracks, such as Wild Nothing’s second album “Nocturne”. He did all the layout for the album, including all the limited edition stuff and the digital design!

__How is the artwork related to “Yoncalla”’s underlying album concept?

It’s a reflection of the process of being together as individuals but having our identity as a collective not being about us as individuals. That’s why there are no faces on the cover – just our hair and our minds!

__You appeared in your MV for “Second Wave” for the first time. Do you have any plans to release new MV of any songs from “Yoncalla”? If so, will you tell us what it’s like?

Yes! We just finished shooting a video for Barricade (Matter Of Fact) that we are very excited about, and there will be more after that! We can’t tell you what it’s like, but here’s a photo!

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__You are coming to Japan in September and going to have 3 shows in Tokyo, Nagoya and Osaka. Could you tell us a little bit about the live set or what the performance will be like?

Our show in Tokyo last year was our first ever show in Japan, and to this day it is still the best show we have ever played. The audience were amazing – we had never felt so good about playing live before, and we felt like everyone in the crowd was our best friend. The ending was insane! Everyone got up on stage to dance, and then I think we did two encores – the only time that has ever happened, and we had run out of songs, so we had to play ‘Catastrophe’ again! The whole trip was really special because it was the first time we had met Fumi from Rallye Label, and he took care of us so well. We ate at amazing restaurants and saw many beautiful parts of the city, plus Josh also bought his guitar in Tokyo! We can’t wait to go back again and play the songs off of ‘Yoncalla’.

by Kaori Kobayashi