INTERVIEWSAugust/25/2015
[Interview]Yumi Zouma – “EPⅠ&EPⅡ”
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 Yumi Zoumaは、ニュージーランド、クライストチャーチ出身のドリームポップ・バンド。当初メンバーはKim Pflaum、Charlie Ryder、Josh Burgessの3人であったが、2014年にKimは脱退し、新たにChristie Simpson、Sam Perryをメンバーに迎え、現在は4人で活動している。2011年2月に起こったニュージーランド地震(クライストチャーチ地震)後、Charlieはパリ、Joshはニューヨークへと引っ越しており、現在もメンバー同士離れた土地に暮らしている。

 彼らは、Yumi Zoumaとして一緒に作曲した最初の曲である「A Long Walk Home For Parted Lovers」をブルックリンのレーベル〈Cascine〉に送ったことがデビューのきっかけとなり、2014年2月にデビューEP『EPⅠ』を、翌年2015年3月にはセカンドEP『EPⅡ』をリリース。そして国内では、2枚のEPをコンパイルした『EPⅠ& EPⅡ』がリリースされている。

 Yumi Zoumaは今回、8月から9月にかけてマレーシア、日本、ニュージーランド、オーストラリアを廻るアジア・パシフィック・ツアーを行うことを発表しており、8月28日には東京公演が開催される。今回が初となる来日公演の期待が高まる中、来日直前のYumi Zoumaのメンバー、Charlie Ryderにインタビューを試みた。

__Yumi Zoumaという名前の由来を教えてください。

初めは、僕らが実際にバンドを組むなんて思ってなかった。「A Long Walk Home For Parted Lovers」っていう曲を1曲だけ作ってたんだけど、その時はもうみんな違う国に住んでたし、ライブをするのは不可能だと思ってたんだ。でも、僕たちの音楽は何か特別なものになり得るかもしれない、少なくともバンドメンバーの誰か一人のためにはなるし、いつかライブをすることもできるかもしれないと思って、そのチャンスを生かしておきたかった。だからバンドの名前は、何か融通の利いたもの、例えばどこの人たちなのかとか特定できないような、バンドの名前っぽくも、人物の名前っぽくも、あるいはそのどちらでもないような名前にしたかったんだ。だから、いかにもバンドっぽく”The”から始まる名前とかそういうのじゃない何か違うものにしたくて、僕たちの友達ふたりのファーストネームとラストネームを繋げてYumi Zoumaという名前を作ったんだ。

__Yumi Zoumaが結成された経緯を教えてください。

2013年のある晩に「A Long Walk Home For Parted Lovers」をオンラインで作ったのがきっかけだよ。その日の夜、僕たちの大好きなレーベル〈Cascine〉の代表であるJeff Brattonにその曲をメールで送ってみたんだ。そうしたら彼に、他にもっと曲はあるかって聞かれて、本当は無かったんだけど、とりあえずありますって返事をした。そこからできる限りたくさんの曲を作って、Yumi Zoumaが生まれたって感じかな。

__メンバーは、それぞれ、クライストチャーチ、パリ、ブルックリンと地理的に離れた場所を拠点としているそうですが、どのようなプロセスで楽曲制作を行っているのでしょうか?

楽曲制作の過程はとても複層的で、一瞬。僕たちはパソコンで曲を送り合い、編集し合うっていう方法をとってるんだけど、他のメンバーが寝てる時にそうじゃないメンバーの誰かが曲を編集することになるから、その間に曲が大幅に変わったりするんだ。このやり方は曲そのものに人生を与えることができて、僕たちがその曲ごとに手を加えすぎるのも防ぐことができるから、結構気に入っているよ。

__「A Long Walk Home for Parted Lovers」は、バンドにとって最初の曲とのことですが、当初どのようなイメージで制作したのでしょうか?

何か特定のイメージがあったってわけじゃないけど、僕たちの曲がいかに変われるかっていうのが分かるいい例だよ。Joshが僕にこの曲の最初のアイデアを送ったとき、彼はそれとは違うヴォーカルを頭の中に持ってたんだ。でも僕は自分で歌ったたくさんのフックをそれに加えて、結果としてこの曲はリラックスした感じのものからよりポップなものへと変化していったんだ。

__同じく『EP』収録の「The Brae」は、どのようなイメージで制作された曲なのでしょうか?

この曲もJoshのアイデアから始まったもので、そこから僕たちの間で何度も編集し合って作った曲なんだ。アレンジは大きく変わったけどね。例えば、この曲の最後に聴こえるヴォーカルは始めはコーラスだったんだ。

__「Catastrophe」のミュージックビデオについて、映像を制作したBANGSは、「別世界の力によって日常が破壊された人々の住むフィクションの小さな町についてのフィルム」とコメントしていますが(*1)、この曲の核となるアイデアは、映像と同じメッセージでしょうか?

全然違うよ!この曲に対する彼女(監督)のアイデアは僕たちにとって全くの新しいものだった。この曲を書き始めたとき、それはもっと感情的でパーソナルなものだったんだ。でもこのビデオによって、人々がこの曲に持っていたコンセプトも少し変な方向に変わっていったってことはすごく面白いと思う!

__また、そのBANGSは、「Alena」のミュージックビデオも制作していますが、「Alena」の楽曲制作にあたってはどのようなアイデアがありましたか?

「Alena」は多分僕たちの曲の中でも一番変わったレコーディングプロセスだったよ。この曲を最大限ポップな曲にするために、僕が、前もって録音したたくさんのループとサンプルを引き受けたんだ。そこから一度全てを取り払って、この曲が最後にYumi Zoumaらしいものに落ち着くまで、いろんな異なるアレンジメントや方法を試したよ。初期のバージョンのものの中には、とても対照的なものもあったよ。ドラムが全くないものや、シンセなしでギターだけのものとか。でも最後にこれだってアレンジを見つけたときには本当に嬉しかった!

__『EP Remixes』では、Wild Nothings、Mark McGuire、Kaito、Essáyがリミキサーとして参加していますが、どのような経緯で彼らにオファーしたのでしょうか? また、他のアーティストとコラボレーションすることの魅力について教えてください。

始めはリミックスEPを出すつもりはなかったんだ。でも僕たちがファーストEPをリリースした後、たくさんの人から僕らの曲をリミックスをさせて欲しいとか、もうすでにリミックスし終わったものをメールで送ってきてくれたりしたんだ。だからリミックスに関しては僕たちはほとんど何もしていないよ!その中から自分たちが気が合うと思った人を見つけて、〈Cascine〉がそれを編集して『EP Remixes』を実現させたんだ。他の誰かが、当初あったアイデアからその曲をどうやって新しい場所へ連れて行ってくれるのかを見るのはいつも最高だよ。前からその人のファンだった場合は特にね。

__『EPⅠ』はRobert Chadwellの写真、『EPⅡ』はChristobal Palmaの写真、また、「Alena」では、Jean-Baptiste Courtierの写真を使用されていますが、なぜこれらの作品を選んだのでしょうか?

いい質問だね!アートワークの写真たちは僕たちのパソコンの中に長い間眠っていたものだよ。僕たちは常に写真を収集していて、視覚的にインスピレーションを受けるものをいつも探しているんだ。「A Long Walk Home For Parted Lovers」を最初に書いて、Yumi Zoumaっていうバンド名を思いついたとき、その曲に合う写真を見つける必要があると感じて、Robert Chadwellの写真が素晴らしくピッタリだったんだ。ニュージーランドのダイヤモンドハーバーで僕たちの宣材写真を撮り終わるまで、バンドのイメージを写真と結びつけることを続けようと思ったんだ。そして、Christobal PalmaとJean-Baptiste Courtierの写真は『EPⅡ』と「Alena」にとって完璧な写真だった。どのフォトグラファーも僕たちは心を通わせていて、幸運にも彼らはみんないい人たちだし、彼らの仕事が僕たちに関わっていることに関心を持ってくれているよ。

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__アルバムのアートワークやミュージックビデオには、メンバーは一切出演されていませんが、何か理由があるのでしょうか?

もうそんなことはないだろうね。はじめは、僕たちはみんな違う国に住んでいて、ライブもやらなかったし、Yumi Zoumaとしての活動がうまくいくかもわからなかったから、プレスの写真とかそういうのを一切やらなかったんだ。うまくいったとしても、みんなバンドだけじゃなくて他のこともしていたから最終的にどうなるのかわからなかった。それで〈Cascine〉にミュージックビデオを作る必要があると言われたときに、メンバー全員がわざわざ飛行機に乗ってどこか一カ所に集まるよりも、自分のキャストとクルーで全てをまかなえる監督を見つけてやるっていう方法が一番簡単な方法だったんだ。でも今は、みんな住んでいるところは違うけどツアーもたくさんやるようになって、ほぼ月に1回のペースで会うようになったからプレスの写真とかそういうのを撮る機会も増えた。だからこれから活動が大きくなるにつれてメンバーの露出も増えていくと思うよ。

__今回のマレーシア、日本、ニュージーランド、オーストラリアの各都市で開催されるアジア・パシフィック・ツアーの後には、どのような予定が控えていますか?

〈Cascine〉の5周年記念パーティーに出演するためにアメリカに行く予定だよ。レーベルメイトのKorallrevenがそこでの出演を最後にそのまま解散するから、悲しいパーティーになりそうだけどね。それから僕らのアルバムをミックスする予定だよ!


*1…Gorilla vs Bear “premiere: watch the BANGS-directed video for Yumi Zouma’s new single “Catastrophe””より (http://www.gorillavsbear.net/2015/01/27/premiere-watch-the-bangs-directed-video-for-yumi-zoumas-new-single-catastrophe/)

取材協力:Rallye Label

インタビュー・文:小林香織
1994年生まれ。青山学院大学総合文化政策学部在籍。インディ、ポップ、アメリカのカルチャーなどを担当。

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Artist: Yumi Zouma
Title: EPⅠ&EPⅡ
Release date: March 11, 2015
Price: ¥2,484(tax in)
*解説・歌詞・対訳付き

01. Dodi
02. Alena
03. Catastrophe
04. Second Wave
05. Song for Zoe & Gwen
06. A Long Walk Home For Parted Lovers
07. Sålka Gets Her Hopes Up
08. The Brae
09. Riquelme